展覧会のお知らせをひとつ。
この記事を書こう書こうと思いながら、春風邪を引いたりしてすっかり遅くなってしまったことをお詫びしたい。会期は明日までとなっている。
ナムーラミチヨ個展
poetry book Art - Exhibiion by Michiyo Namura
4/11まで GALLERY PLATFORM STUDIO (銀座一丁目)
ミチヨさんはイラストレーター、コンセプチュアル・アーティストであり、故三橋敏雄門下で自由な俳句もたしなんできた女性。わたしがまだひよこのときから、母/姉的な懐の深さで可愛がってくださっている、尊敬すべき先輩。反戦ウォークで一緒に歩いたこともある:)
三橋敏雄の句に関しては、『三橋敏雄俳句いろはカルタ』なる興味深い作品がある。ミチヨさん選の三橋俳句いろは48句にイラストをつけ、カルタにしたもの。美しい箱根細工の箱とともに展示されたお披露目展も見に行った。愛すべき三橋敏雄的宇宙がそこにはあった。
一方、わたしにとってはいまは亡き駸々堂から出ていた『レストランへつれてって』の著者としての仕事も忘れがたい。これは、フレンチレストランでの食事を初めて体験するひとに向けた、やさしい手ほどきのイラストブック(見田盛夫監修)。過剰に緊張しなくていいけれど、少し背伸びをして、少しオシャレをして、ちょっとだけマナーを知って、より素敵な夜を楽しみましょう!というコンセプトがすばらしい:)
飲食の仕事にたずさわっているいまだからなおさら、版元が倒産したためにこの本が絶版になってしまったのは残念なことだなあと思う。
ミチヨさんのイラストは、自由で、気持ちよく伸びる線で描かれたものが多い。今回の展示"poetry book"(未見なので案内ハガキから想像するだけだけれど)も、"Are you happy?"とか"I am hungry"といったフレーズから喚起されたイラストを、本の形にしたものが展示されている(らしい)。
ワンフレーズあるいはワンワードコンセプトからイラストブックを作るのは、わたしが記憶する限り20年以上も前から彼女が一貫して追求している創作スタイル。絵とことばの間を貪欲に泳ぎ回るナムーラミチヨというアーティストの、もっとも身近で気軽な創作物と言えるだろう。おかしくて切ない、ちっちゃな人間の営みと壮大な宇宙が、何気ない(しかし周到な)数本の線によってつながってしまう――そんなダイナミズムを感じてほしい。
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